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 Peter Bober氏は2000年以降フロリダ州ハリウッド市長を務めているとともに、雇用法を中心にBober&Bober P.A.という法律事務所を開設して活躍しています。Peter Bober氏は史上最年少のハリウッドの市長であり、またこの都市の史上初のキューバ系の公選された役職者であることで人気を集めている有名人です。

 しかし、有名人でもPeter Bober氏の名前が取り入れられた<peterbober.com>というドメインネームをめぐる問題は、同氏に不都合な結果をもたらしました。

 このドメインネームは2005年にNational Institute for Mortgage Educationによって登録されました。同氏はこの事実を2007年に知り、自分がその氏名を冠した法律事務所を経営し、事業していると主張して仲裁を申し立てました。

 WIPO(世界知的所有権機関)のUDRP(統一ドメイン名紛争処理方針)によると個人の名前が保護されないことは基本的に確立済みですが、2001年9月3日付の「Second WIPO Domain Name Process」に関する最終レポートでは、個人名に関するUDRPの保護範囲は商業的に利用されているものに限られるべきである旨が提言されています。

 つまり、もし同氏が自分の名前で本を出版するなど、自らの氏名で商業的な活動を行っていたならば、上述の条件を満たすことができたと思われます。

 Peter Bober氏はアカデミックなジャーナルなどで記事を載せたことはありますが、このような活動は尊敬に値するものの、それ自体をもってUDRP下で保護される活動には該当しないようです。

 また、同氏の経営するBober&Bober P.A.の名称と問題のドメインネームの中のPeter Bober氏の氏名との間には、消費者に混乱を生じさせるほどの類似性が認められませんでした。

 もし仮に彼が「Peter Bober法律事務所」の名称の下で法律サービスを提供していたのであれば、結果は違っていたかもしれません。

 つまり、単に政治家やビジネスマンでいることだけではコモンロー上で商標としてのステータスは満たさず、UDRP下でその氏名は保護されません。このようなケースに勝訴するのには、自身の氏名が特定の事業を表示するものと一般に認識され、事業名称としてだけでなく、当該事業と結び付けられる個人の氏名にも信用が存在する事実や、商業的に成功した著書の執筆等、自身の名前の使用を通じて商業的成功を収めている事実といったはっきりした商業的な要素を立証することが不可欠になりますので、予め必要な措置を講じるようお勧めいたします。

調査員:Ksenia Golovina

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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ブライツコンサルティング 担当:矢島崇成・湯原亨
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